近年、地球温暖化の影響もあり、気温の上昇を身をもって感じるようになりました。
気温35℃を超える猛暑日が続く夏場にエアコン無しで過ごすことはもはやきません。当ショップは、現在はオンラインショップのみの運営ですが日本茶の保存の温度管理には気を配っています。
ここ数年で多くの日本茶を飲んできましたが、日本茶にとっての一つの難関が夏です。夏を越したお茶が、未開封であっても開封後の賞味期限内であっても酸化した味がすることが多々あります。お茶が古いわけでも、質が悪いわけでもありません。お茶は本来常温で保存できるのですが、どうも日本の夏は暑くなりすぎたようです。
1週間程度で飲みきる場合は、常温保存でも大丈夫ですが長期に保存される場合未開封であれば冷蔵庫。開封後はできる限り密閉し、冷凍庫での保存をおすすめします。冷蔵庫内は、頻繁な開閉により、温度変化をくり返していますので、お茶袋の中に結露ができやすくなり、茶葉が湿気を帯び、酸化が進んでしまうことがあります。
全てのお茶において、温度変化や、湿気により酸化してしまうわけではありませんが、せっかくの美味しいお茶が保存状態によって残念な味に変化してしまうことを避けるためにもそのような保存方法をおすすめしています。また、冷蔵・冷凍庫で保存したお茶は、室温との差が大きいと冷たいコップのように空気中の水分が結露してしまいますので、常温に戻してから開封することも大切です。
当ショップでは、夏場はお茶を保存している室内のエアコンを24時間切ることはありません。緑茶はワインセラーにて保管しています。抹茶を京都宇治から江戸まで運んだ、お茶壺道中も夏場は山梨県都留市の勝山城の涼しい蔵で保存、熟成させ9月に江戸に向けて再出発しました。
当時から夏の暑さを避けるよう気を付けられていたのでしょう。
茶の利 店主 日本茶インストラクター 中野佳子